当院は、骨粗しょう症の治療に力を入れており、多くの患者様を治療しています
現在、骨粗しょう症の治療薬が次々に登場し、個々の患者様の症状や病気の進行度に応じて、選択肢が増えてきました。最近では、従来の治療薬よりも強力に骨密度増加が期待できる薬や、患者様が継続しやすいように、投与間隔や剤型(薬のかたち)に配慮したものもあります。
ただし、安全にきちんと効果があらわれるようにするには、薬の用法を守る必要があります。薬によって、飲むタイミングや注意すべき点があります。
また、骨粗しょう症の発病には、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが重要です。
1.ビスフォスネート製剤
これは各メーカーから多種類でています。
ボナロン・フォサマック・アクトネル・ベネット・リカルボン・ボノテオ・ボンビバなど
近年、上記薬剤を長期投与後に、顎骨骨髄炎の副作用が報告されるようになり、長期投与が問題になってきています。薬剤が骨に長くとどまるために、長期使用により大変まれに大腿骨骨折を起こすこともあるので、当院では5年位で投与を一旦中止し、他の薬へのスイッチをするように心がけています。
2.SERM
エビスタ・ビビアントの2製剤があります。
女性ホルモン様作用で閉経後骨粗しょう症の改善に効果があります。
3.新しいビタミンD製剤
エディロール
従来のビタミンD製剤より効果が高く、最近急激に使用量が増えている薬です。
ビタミンD3製剤
最近は筋肉の減少を抑えたり、骨質の改善にも効果があるようにも言われています。
比較的に副作用が少ない薬ですが、腎機能障害のある場合は注意が必要です。まれに腎不全や高カルシウム血症を起こします。
カルシウム
残念ながら、骨粗鬆症の治療薬としては、効果がありません。しかし、カルシウムを摂取しないと骨粗鬆症が進行するので、カルシウム不足の人に対し栄養補助剤として投薬します。
健康食品などで安易ににカルシウムをとりすぎると、結石や腎障害を起こしますので注意が必要です。
1.テリパラチド(フォルテオ・テリボン)
現在、最も効果が強い薬剤です。骨芽細胞に作用して骨を強くします。欠点として、薬価が高く使用できる患者・投与期間に制限があります。骨粗しょう症が強く、圧迫骨折がある患者などが対象になります。
2.プラリア
最近、発売された新しい作用機序の薬剤です。骨吸収を抑える作用が強く、骨粗鬆症の改善作用も強力です。この薬剤にも顎骨骨髄炎の副作用があり、長期投与ができません。
3.ビスフォスフォネート注射製剤(ボンビバ)
現在の骨粗鬆症の主役はビスフォスフォネートですが、経口剤では消化器副作用がでたり、効果が弱い人もいます。そのような人に対して月一度の静脈注射による投与ができるようになりました。
4.エルシトニン
週1回注射で、腰痛を抑える作用があります。